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2016年11月16日 (水)

「三省堂図解ライブラリー 19世紀の鉄道駅」

「三省堂図解ライブラリー 19世紀の鉄道駅」という本を借りてみました。イラストも美しくて楽しい本だと思います。

エジプトのピラミッドとか中世の大聖堂とかギリシャの神殿とか第2次大戦の潜水艦とかそういう歴史的な建造物乗り物などを図解解説した青少年向け?の図鑑シリーズのひとつです。

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しかし、よく見るとイラストの細部になんだか変なところがたくさんあるのが気になり、なんだか本の記述まで信用しかねる気分になってしまいました。参考までに、気になった部分の画像を上げておきます。

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ポイントのイラストですが、左側のトングレールがなくて、スローバーが直接左側のレールに固定されているように描かれています。おかしいと思わなかったのかな? 右の絵は、カウキャッチャースノウプラウとを混同しているのではないかと思えるような表現ですね。

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トンネルの中での線路敷設で犬釘を打つ様子なのですが、レールはすべてクランプで固定されているのに、打っているのは大きな犬釘というのが変ですね。トンネル上部の換気口もこんなに浅いのなら普通は切り通しにするはずでしょう?

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左の絵は、こんなに狭い線路間隔ってあるのだろうかということ。右の絵ではポイントの描き方が明らかにおかしいですよね。線路とポイントの構造を全然理解していないのじゃないかと思います。

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左の絵のアメリカン4−4−0のメインロッド、ピストンから直接第2動輪に掛かっていますしサイドロッドもありません。アメリカン4−4−0ならふつうは第1動輪に掛かるはずですし、サイドロッドが台枠内側にあるという例はちょっとありえない気がするんですが。

右の絵の連結器のループ、何か?が屹立したような雄々しい状態(苦笑)で保持されています。この種の連結器のループは普通はスクリューがついていて折れ曲げてフックに掛けられるように保持されるものだとばかり思っていましたが、こういう形態もあったのでしょうか?きっとあったのだろうと思いますが、なんだか不自然に見えました。

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客車の床下にあるトラスロッドですが、引き締めるためのターンバックルが描かれていません。他のページの絵でも同じでした。それに上の方にある車両では、クインポストも描かれていません。これではなんのために床下にトラスロッドが存在するのか、これも構造を理解していないからの間違いなのでしょう。

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左側の絵はこれもアメリカン4−4−0ですが、ロッドと弁装置が変です。普通アメリカン4−4−0は外側シリンダで、第一動輪にメインロッドが掛かり、サイドロッドで第2動輪に動力を伝えますし、スティブンソン式弁装置は台枠内側のスリップエキセントリックによって駆動されるはずだと思います。なのにこれは内側シリンダで、弁装置はクランクピンにつけられたリターンクランクで駆動する方式です。しかもこの図じゃまともに駆動するとは思えない状態のように見えます。

おかしいよね、と思って反対側のページをみたら、右側の絵のような欧州の機関車の例のイラストがあって、その一番下、イタリアの4−6−0テンダーがよく似た方式のように見えますが、これもシリンダーが台枠外側にあるように見えるのに、ピストンロッドとクロスヘッドが見当たらずガイドヨーク下端みたいな変なところにつながっていたりメインロッドも途中で切れているように見えるしバルブギヤもどうなっているのかよくわかりません。そのうえ、サイドロッドが第一動輪に掛かっていないなどなんとも不思議なイラストです。ほんとうに資料をよく見て作画したのでしょうか?どうにもよくわかりません。

アメリカン4−4−0の変な弁装置も、おそらくこれらのヨーロッパ型の弁装置を参考にして作画したのだろうと想像がつきますけれど、この種の図鑑?としてはちょっと問題がありすぎる気がするのですが、どうなのでしょうか?

よく見ていけば他にもいろいろ変な描画があるかもしれません。

この本、もともとはイギリスの出版社の本で、小池茂氏(著名な鉄道史研究家)などが訳し、日本語版の解説文なども書いているのですが、イラストはチェックしなかったのでしょうか?

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ご覧の通り、文も画も編集顧問も錚々たるメンバーのようなんですが……特にイラストを担当した人は美大出の歴史画考証を専門としていると紹介されているのに、なんだかなあ、という感じです。

同じシリーズの他の本も興味はありますが、あまり信用できなさそう、という気分で、借りようかどうかまよっています。まあ、そのテーマについてビジュアルに概要を知るには良い本だろうとは思いますけれど。


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