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2012年2月 4日 (土)

伊東屋オリジナルCHIBIボール盤

「とれいん」2月号に「清吉ドリル」という簡易ミニボール盤が紹介されていました。記事によるとそのアイデアのもととなったのは銀座ITO-YAのミニボール盤だとのこと。

これ、わたし、愛用してます。

Itoyabole

すでに一度「道具と工具と工作室」のなかで記事にしたことがあるのですが、ちょっと感激したので、もう一度自分の記事を引用します。って、ここんとこあんまり工作してないんでこんなんでごまかそうかと……

(引用始め)
穴を垂直にあけるには、本当はボール盤が必須ですが、私の工作環境ではとても導入するわけには行かず、銀座にある文具専門店の伊東屋デザインコーナーで買った、その名も「伊東屋オリジナルCHIBIボール盤」を使っています。精度はほとんど気休めのようなレベルですが、垂直に穴をあけるときや、たくさんの穴をあけなければならないときは非常に重宝しています。

Itoyahako1

もちろん本体の構造はそれなりですが、手作り風のいいデザインですし、化粧箱と呼びたくなるようなパッケージがあまりに感動的でしたので、ご紹介いたします。この色の取り合わせ、「大鏡」の藤原道長行幸の描写(下記参照)と相通ずるものがあって、なんといいますか、華やかでえもいわれぬ趣が感じられ、さすがプロ御用達のデザイン用品やご贈答用高級ステーショナリーをあつかう「伊東屋」といいたくなります。

Itoyahako2

パッケージや道具そのもののデザインに、これだけの粋を感じさせるという意味で、このミニボール盤、特筆すべきものだと思います。こういうものを普通に身の回りに使っている階層の人たちがいるのだなあとおもうと、ちょっとうらやましくもあります。


「大鏡」の藤原道長行幸の描写

をりをりにつけたる御かたちなどは、げに長き思ひ出でとこそは人申すめれ。中にも三条院の御時、賀茂行幸の日、雪ことのほかにいたう降りしかば、御ひとへの袖を引き出でて、御扇を高く持たせたまへるに、いと白く降りかかりたれば、<道長>「あないみじ」とて、うち払はせたまへりし御もてなしは、いとめでたくおはしまししものかな。上の御衣は黒きに、御ひとへ衣は紅のはなやかなるあはひに、雪の色ももてはやされて、えもいわれずおはしまししものかな。(「大鏡」下巻「大政大臣道長」 より)

「あはひ」というのは、配合、つまり色の取り合わせのことを言っています。ここのところ、音読するといかにも、その情景が鮮やかに眼前に浮かぶ名文です。仮名にして記しておきますので、この美しさを、どうぞじっくりと味わってみてください。

おんひとへのそでをひきいでて、おんあふぎをたかくもたせたまへるに、いとしろくふりかかりたれば、あないみじとて、うちはらはせたまへりしおんもてなしは、いとめでたくおはしまししものかな。うへのおんぞはくろきに、おんひとへきぬはくれないのはなやかなるあはひに、ゆきのいろももてはやされて、えもいわれずおはしまししものかな

(引用終り)

注:
銀座に東急ハンズが出来てからITO-YAはデザイン関連の素材や道具関係のコーナーが画材を除き、まったく無くなってしまいました。帆船模型の売り場が無くなったのもそれと相前後しての時期だったと思います。この「伊東屋オリジナルCHIBIボール盤」も、かの伝説の名品「伊東屋ミニ糸鋸盤」とおなじく、いまや手に入らない懐かしの品ということになります。その代替品といってはなんですが、性能もアップした「清吉ドリル」が発売されたということなのでしょう。
今思えばミニ糸鋸盤も、当時は高価に思えてあきらめてしまったけど、買っておけば良かったなあ、とちょっと後悔しています。

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