KPEV (The Royal Prussian Railway) S9 です。

上の写真のようにアトランティック(4-4-2)のなかなかかっこいい速そうなロコなんですが、試作時には下の写真のように、軸配置4-4-4で、まかりまちがえばゲテモノとも言われかねないような形態でした。

アメリカはSP(サザンパシフィック鉄道)の有名なキャブフォワードは、ロコのキャブの位置はそのままに前後を入れ替えて煙室側にテンダーを連結し、ロコが後進する方向を順方向としたものですが、KPEV-S9は、煙室の前にキャブをもう一つ作っています。
前方の視界を改善するためのデザインということなのでしょうが、火夫(機関助手)は相変わらず後方にある焚き口を覆うキャブにいるわけですし、機関士と機関助手の連絡はどうしたのか、また、各種スロットルや計器はどのようになっていたのか興味深いところです。
視界を良くすると言うことでは、ロコの中央部にボイラーを跨ぐようにキャブを設けたキャメルバックも有名ですが、同じような問題を抱えていたのではないでしょうか。しかし、このS9のデザインをみると、キャメルバックのデザインが中途半端な妥協のように思えてきます。
さらに、空気抵抗を考えて流線型を意識したボックスキャブといえばいいのか、テンダーまで窓付きのフルキャブスタイルで、ほとんど電気機関車のような形態の試作機もありました。206- 210 Km/hを出すことが出来たという当時の最新鋭電気機関車に対抗することを目指して作られたということですから、この形態に対する期待は大きかったのだろうと思います。

こういう形態は、スティームトラムと同じようなものとも考えられないことはないのですが、これもスロットルなどは前方になければならなかったはずですし、キャブで覆われてしまった分、メンテナンスなども面倒になったのでは無かろうかと思います。
まあこういうのって、模型化するにはなかなか魅力的に思えるのですが、実用上はどれだけのメリットがあったのか、ちょっと興味がありますね。
ナローでこういうボックスキャブ蒸気、なんてのをやろうとすると、なんのことはない、DC20のようなロッド式ボックスキャブディーゼルと見分けがつかなくなってしまいそうで、あまりおもしろくないような気がします。やっぱり模型化するのなら、ボイラーが見えるスティームトラムが好いですね。
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